頑張れカドフシアリ!

現在我が家で孤軍奮闘しているアリがいる。

カドフシアリの女王。

昨年10月末に林床に転がった堅果の中から見つかった単独女王。恐らくこの年の晩夏に飛行して女王単独での越冬に入ろうとしていた個体だろう。

僕自身はカドフシアリにあまり出会ったことがない。

単独女王に出会うのは2度目、コロニーは山林内の斜面の土中で巣を見つけたことがあるだけだ。ひとまず女王を持ち帰ることにしたのだが、彼らの難点は「ササラダニ類を主なエサとする」その食性だ。

 

果たして飼育管理は出来るのか…?

 

同時にこんな遠い記憶もおぼろげに浮かんでくる。

昔誰かが飼育されていたような気が…じゃあいけるかな…?

 

カドフシアリの女王

 

かくして飼育管理が始まった。

飼育巣は"擬似ドングリ石膏巣"。エサは少量の蜜エサと時折与えるヒラタコクヌストモドキ。ササラダニを採ってきて与えるなど出来ないのでこれが精一杯だ。

 

「エサが合わないかもしれない」

「女王単独では体力が保つか不安」

 

いつ突然の別れが来てもおかしくない状況下でまずは越冬を迎える。

 

…越えた!

 

しかし、春を迎えても産卵はなかなか始まらない。このようなケースでは大抵の場合、大きな期待を背負いながらも産卵には至らず女王はいつか天国へ旅立ってしまう。

このカドフシアリ女王もそのパターンかもしれない。

そんな考えも頭をよぎり始めた6月上旬、ついに女王は産卵をした!

採集から約7ヶ月、よく頑張ってくれた…!

でもここからが大変だ。ワーカー誕生までいけるか…?!

 

7月に入り巣内では1匹だけ幼虫が成長していた。

卵は…少し減っている。食卵もしているかもしれないな。

だが1匹でもワーカーが生まれてくれれば状況は変わるだろう。

 

カドフシアリの女王、卵、幼虫

 

頑張れカドフシアリ!

もうちょっとだ!!

 

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