クロオオアリの成長速度と観察のしやすさは比例する!…我が家では。

我が家で今絶好調のコロニーがある。

クロオオアリのコロニーだ。

クロオオアリのコロニー(スケルトン巣)

新女王を採集したのは2018年5月だから、6年目のコロニーということになる。

現在のワーカー数は推定約700匹。

6年目のコロニーであることを考えれば特段に多い数ではないが、これまでの6年間には浮き沈みがあった。

今回はこれを振り返ってみたい。

 

👍2018年5月 新女王飛行(飛行の様子)

👍2018年7月 初ワーカー誕生(ワーカー数1)

👍2018年9月 縦重ね型石膏巣に入居(ワーカー数約25)

👍2018年12月 越冬(ワーカー数約25)

😞2019~2021年 あまり記録残っておらず(ワーカー数最大300匹程度)

👍2022年1月 現在のスケルトン巣に引越し(ワーカー数)

👍2023年7月現在 スケルトン巣で絶好調(ワーカー数約700匹)

 

1年目で無事にコロニー化し、冬を迎えた段階でワーカー25匹というのは特段多いわけではないが、かと言って少ないわけでもない。まずまずの順調なスタートだ。

問題はそこから。2019年から2021年までほとんで記録を残していないし、そもそもこの期間ほとんど観察していない…(汗)

2018年~2021年に使用していた"縦重ね型石膏巣"。壁面が内側から汚されると中を観察出来ない・・・



この理由は"とにかく巣を汚す"クロオオアリの特性だ。

クロオオアリは同条件で飼育をした場合のムネアカオオアリなどに比べて圧倒的に巣を汚す。一般的に樹上種と土中種を比べた場合土中種の方が飼育巣を早く汚す傾向にあると思っているが、クロオオアリはその点で代表的な存在だ。

2年目以降、成長を続けるコロニーは比例して巣内の活動も増える。その結果、「ワーカーが増えるのは嬉しいが巣が汚れてどんどん観察がしづらくなっていく」というジレンマが発生してしまうのだ。

 

僕は聖人ではないから、巣内が見づらくなれば「今月どれくらい増えたのか」「エサの食べ方は良いのか」「巣内環境(湿度や汚染状況)はどうか」などを察知することが難しくなり、その結果飼育モチベーションが下がっていく。

エサやりの量や頻度、給水の具合、引越しや増設の判断などが鈍り、少しずつベストな状態からズレていく。。

 

結果として2019年から2021年までの期間は衰退はしなかったもののコロニーの成長速度は停滞してしまっていた(…ように思う、見えないから…)。

 

さて、この「クロオオアリ見えない問題」は今に始まったことではない。

かねてからクロオオアリを飼育する度に悩まされてきた厄介な問題だったのだ。

2022年の始め、この問題に対処することを目的とした「蓋スライド型両面採光式土中種観察巣(スケルトン巣)」を制作。クロオオアリを入居させた。

この飼育巣は"どんなに汚されても観察面を取り替えて綺麗にできる"という機能を備える。

 

「クロオオアリ…綺麗だな〜」

「知らない(見えない)間にこんな規模になっていたのか…」

「あ!産卵してる!」

「巣内にエサが運び込まれた…!!」

クロオオアリの美しい姿

たくさんの卵が集められた卵塊

繭が集められた場所もハッキリ見える

…これまで低空飛行だった僕のクロオオアリ観察モチベーションは一変した。

巣内の細かな変化は逐一確認出来るようになり、エサの量や頻度もその都度調整出来るようになった。

そう、"見える"から!!

 

飼育環境が様々改善されたクロオオアリのコロニーはスケルトン巣に引越ししてから明らかに成長速度を増し、一気に700匹規模に成長した。

もう一段階成長したらもしかしたら新女王など出てくるんじゃないか??

淡い期待を抱かせるのも巣内を見渡すことができるから。

 

クロオオアリの成長速度と観察のしやすさは比例する!…我が家では!!

 

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